人身事故>裁判例>23.自動車検問は任意であり車の利用の制約しなければ適法


23.自動車検問は任意であり車の利用の制約しなければ適法


過去すべての裁判例からご希望の判例を検索いたします。有料相談→5.250円にて


判例要旨

1.自動車検問は任意で行われ、運転者の自由を不当に制約しない限り適法である。
 

昭和56年12月22日 最高裁判所第三小法廷

理由
 

 

 被告人本人の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、原審において主張、判断を経ていないものであり、また、判例違反をいう点は、引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その余は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

憲法違反・判例違反という事はない


 なお、所論にかんがみ職権によつて本件自動車検問の適否について判断する。警察法二条一項が「交通の取締」を警察の責務として定めていることに照らすと、交通の安全及び交通秩序の維持などに必要な警察の諸活動は、強制力を伴わない任意手段による限り、一般的に許容されるべきものであるが、それが国民の権利、自由の干渉にわたるおそれのある事項にかかわる場合には、任意手段によるからといつて無制限に許されるべきものでないことも同条二項及び警察官職務執行法一条などの趣旨にかんがみ明らかである。自動車検問は必要だが、国民の権利・自由を考えると全くの自由ではない。


しかしながら、自動車の運転者は、公道において自動車を利用することを許されていることに伴う当然の負担として、合理的に必要な限度で行われる交通の取締に協力すべきものであること、その他現時における交通違反、交通事故の状況などをも考慮すると、警察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のための自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである。自動車検問が任意で行われている限り適法である


原判決の是認する第一審判決の認定事実によると、本件自動車検問は、右に述べた範囲を越えない方法と態様によつて実施されており、これを適法であるとした原判断は正当である。

 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

  昭和五五年九月二二日

     最高裁判所第三小法廷

         裁判長裁判官    寺   田   治   郎

            裁判官    環       昌   一

            裁判官    横   井   大   三

            裁判官    伊   藤   正   己

 

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

只今、交通事故に関するメール相談は有料です。詳しくは→有料メール相談とは?

無料メールお問合せ→メール件名はそのままで


01.逸失利益の中間利息はなぜ年率は5%なのか? 〜ライプニッツ係数の根拠〜

02.交通事故の報告に黙秘権は行使できない 〜交通事故は絶対報告〜

03.交通事故の量刑が重過ぎる! 〜刑が猶予された判例〜〜

04.轢き逃げは罪が重い! 〜報告義務違反と救護義務違反〜

05.死亡した幼児の養育費は? 〜養育費は控除しない〜

06.轢き逃げに気づかなかった場合は? 〜救護、報告義務違反の要件〜

07.労災と加害者の支払った慰謝料の関係 〜労災の慰謝料の控除〜

08.交通事故の報告はすぐに行う 〜14キロ離れてからの交通事故報告〜

09.傷害と労働と収入減 〜損害は収入減がなければ認められない〜

10.交通事故発生時の負傷者とは? 〜死亡が明白なとき〜

11.免責を受ける運転供用者 〜自賠法3条但し書きの立証〜

12.近親者の付添看護費 〜無償の看護は損害になるか?〜

13.同乗の妻は自賠責請求ができる 〜同乗者(妻)の被害者請求〜

14.信号機の設置に瑕疵があったとされたもの

15.修理不能以外でも時価差額の請求が出来るとしたもの

16.同一交通事故での物損の損害賠償金相互間の過失相殺について

17.自動車損害責任保険への債権者代位権の行使について

18.運転者の夫の過失が同乗の妻にも適用される

19.道交法72条1項の前段と後段は観念的競合に当る

20.交通事故債務には商法23条の名義貸与人責任の適用は無い

21.幼児の養育費は逸失利益から控除しない

22.共同不法行為時には政府の補償事業は請求できない?

23.自動車検問は任意であり車の利用の制約しなければ適法

24.後遺障害が認定されても逸失利益が必ず認められるとは限らない